反復頭蓋外時期刺激装置 (rTMS)(神経ネットワーク再構築)
痙縮治療について
当院では、痙縮治療としてボトックス治療とrTMS治療を併用することで、全国に先駆け大きな成果を生み出してきました。多くの発表や講演も行い、現在では、全国で少なくないが施設が、同様の治療法を行うようになり発展してきています。引き続く行う予定です。
ここで、他院との違いを明らかにするため、rTMSに対する当院の考え方を少しまとめておきます。
1.低頻度磁気刺激
2.高頻度磁気刺激
3.シーターバースト磁気刺激
の3つの方法(プロトコール)を用いて行なっていることです。
磁気刺激に対する反応はとても興味深いものがあります。
低頻度刺激では、抑制する方向に働き、高頻度刺激は促進する方向に働き、シーターバースト刺激は胎児の海馬の脳波のような刺激が起こります。
1.低頻度反復磁気刺激について
痙縮を起こしている反対則の大脳(健側脳)に刺激する方法です。
即時的に効果が現れ、刺激直後に痙縮の軽減が見られます。その直後に強化リハビリを行い中期的に慢性期脳卒中でも回復促通効果が見られるというものです。短所は、当然ながら、健側刺激ですので、障害のある脳(患側脳)に直接効果は見られず、48時間程度で効果は薄れると思われます。
2.高頻度反復磁気刺激について
そもそもグレードの高い機種でないと高頻度刺激は行い難いですが、高頻度刺激ですと、直接障害がある脳にも変化を起こすことができます。
少なくとも,様々な神経成長に関わる因子が増加することが、わかってきています。従って、中長期的に痙縮だけでなく麻痺則の改善を目指す可能性も考えられます。
特に海馬において発現することがわかっており、海馬の再生すなわち認知機能の改善への応用も模索されています。
3.シーターバースト刺激(50HZ以上の超高頻度刺激)について
更に、複雑な刺激法のできる高度機種のみにおいて可能な刺激法です。
当院では、この機種を用意しています。(Magstim rapid2)
この機種は、更にうつ病への治療も対外的には認められている機種です。日本では、難病に対する変化測定やうつ病については保険適応可能となっています。(うつ病では、日本では、Neurostarという機種しか保険適応は認められていません。
シーターバーストは、胎児において神経再生ネットワークを作るときに出される脳波です。いわば磁気刺激で、脳から電気刺激が発生するのですが、その発生の仕方を脳波を作るような発生の仕方を行うことで、神経ネットワークを再構築する刺激法です。
超高頻度刺激は、運動野に刺激することで、痛みのコントロールにも応用されており、大阪大学では、在宅で痛みコントロールのために用いる研究もされています。今後難病も含めて更に発展NO可能性が考えられます。
当院での新しい知見のまとめ
第56回定位機能脳神経外科学会で、私が強調した内容と骨子の抜粋を下に提示しておきます。
- 3つの方法を駆使することで、慢性期の痙縮治療とリハビリ効果が認められる。
- 脳卒中神経障害に伴う筋肉萎縮を防ぎ増強することにもなる。
診療メニュー PICK UP
お気軽にご連絡下さい
いとうまもる診療所について
- 院長 伊藤 守
いとうまもる診療所 院長
元大阪市立大学臨床教授
院長プロフィール - 医師スタッフ紹介
- いとうまもる診療所
基本方針 - 健・美・知・長寿
- 診療時間
診療担当医 - アクセス・地図
駐車場のご案内 - 採用情報
- 地域の皆様と医療
介護関係者の皆様へ